書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~

"かくかくしかじか"と読みます。見たもの、聞いたもの、感じたことを書いてます。

Instagramで生産性のない時間を過ごしていたら偶然ANORAK!に出会えた

tiktokやInstagramのリール、YouTubeのshortsといったショート動画を見ることを”負け”と思う風潮が少なからずある。それは「若者文化の流行りに安易に乗ってしまうのはダサい」という考えからくることがほとんどだと思う。

自分も少し前までそう思っていた。

tiktokをインストールするかしないかで自分の価値が上下するような感覚すらあった。

残念。

昔の自分よ、申し訳ない。

現在、連戦連敗している。

「好きなアイドルの動画だけを見る」という口実でtiktokをインストールしたが最後、結局全く関係のない動画をただ垂れ流してしまっていた。ショート動画の恐ろしいところは、ユーザーの好みを収集するアルゴリズムが完璧で、ちょっと面白いと思った動画に関連する動画が次々と流されてくるのだ。

自分の場合は

  • スーパーマリオメーカーのコース攻略
  • サッカーのスーパープレイ・ラフプレイ集
  • バラエティ番組の切り抜き

に占領されている。

何度、「千鳥の鬼レンチャン」のカラオケ企画の時の裏声が出ていないほいけんたを見たか分からない。現在はYouTubeのshortsとInstagramのリールのみにしている。tiktokは現在封印(アンインストール)したが、いつお札を剥がし蘇ってくる(再インストール)かも分からない危険な状態だ。

 

 

 

冷静に考えればこれらのショート動画は面白くないことがほとんどだ。しかし、気づけば2時間経っているなんてことはざらにある。この2時間があれば映画や演劇といった記憶に残る作品も見れるというのに、見終わっても何も残っていないもの2時間を使ってしまっているのだ。スマホの電源を落とした後の後悔は計り知れない。が、結局ショート動画のことが嫌いになり切れず、もう一度よりを戻してしまう。お互いに依存しながらダラダラ関係だけは続いている上手くいってないカップルみたいな関係性を築き上げてしまった。

始めの方でも言ったが、結局ずっと負けているのだ。

新鮮な出会いはないし、ただただ時間を消費しているだけ。

ただ、つい最近初めてショート動画に勝てた瞬間が訪れた。

 

 

 

いつも通り、Instagramのリールを見ていた時のことである。Instagramのアルゴリズムでは、自分という人間が「サッカー好きのアニオタ変態」とカテゴライズされてしまっている(サッカー・アニメ切り抜き・海外のHなハプニングがよく流れる)ので、その日も題名も知らないアニメの切り抜きや何度もこすられて手垢がつきまくったサッカーのプレイが流れていた。

しかし、その中で急に現れたのがそれらとは全く関係のない「ドラムメインのライブ映像」の動画だったのだ。おそらくたまに見ていたバンドのドラマ―の動画の関連で出てきたと思われるが、その人の動画は一度も見たことが無いし、ハート(いいね)も200程度で別にバズっているからといって動画が回ってきたわけでもない。

www.instagram.com

どういうアルゴリズムで流れた来たのかは分からないが、とにかくこの動画を見た瞬間感覚的な話で申し訳ないがバチっと衝撃が来た。それは間違いなくこれまでの人生でも何度か経験してきたことのある「自分の好みとドンピシャのアーティストに出会った」時の衝撃だった。

バンド名はANORAK!

youtu.be

2019年ごろに結成されたっぽい(その時期にドラム募集してたので)4人組バンド

Tomoho Maeda(Gt/Vo)
Mikuru Yamamoto(Ba/Cho)
Crystal Kato(Gt/Vo)
Kotaro Nakamura(Dr/Cho)

自分は好きなジャンルがいくつかあるが、その中でも取り分けて好きなのが「インストでも楽しめるエモロック」である。ジャンルで名前を付けるとするならば『ポストロック』『マスロック』『オルタナティブロック』の類。

曲としても楽しめるのはもちろん、歌だけに注目しても楽しめるし、逆に歌が無かったとしてもインストとして楽しめる。

"二刀流"

ANORAK!は完全にそれだった。

youtu.be

ANORAK!の楽曲は比較的短い曲が多い(2分前後)のだが、その分その短い中に詞やテクニック、シャウトや変拍子を詰め込んでエモーショナルに爆発させていて、聞き終わった後の満足感や充実感がとてつもない。

他のバンドを引き合いに出すのは気が引けるが、中学生の時に初めてthe cabsに出会った時と同じような衝撃というか、自分の音楽性癖に深く刺さって鋭利なまま奥の奥まで届いていくようなそんな感じがした。

 

 

 

ショート動画を見ることを”負け”と思っていた自分へ。

残念。

昔の自分よ、申し訳ない。

相変わらず連戦連敗しているが、一度だけジャイアントキリングを起こすことが出来た。

ANORAK!に出会って以降は引き続き「サッカー好きのアニオタ変態」を全うしているが、生産性のなかった時間にも少しだけ価値があると思えた

これを書いている11月16日がANORAK!の1stアルバム『ANORAK!』の発売日だ。

今日はダラダラとショート動画を見るのではなく、イヤホンから流れる音楽に時間を使っていこうと思う。

ANORAK! [Explicit]

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