書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~

"かくかくしかじか"と読みます。見たもの、聞いたもの、感じたことを書いてます。

「ももいろ歌合戦」のおかげでTHE SUPER FRUITに出会えた

毎年、大晦日はABEMAで『ももいろ歌合戦』を観ている。例にも漏れず、今年も百田夏菜子の飛翔で年を越した。

『ももいろ歌合戦』を観始めたきっかけは『ガキ使』が終わったことも大きかったが、純粋にももいろクローバーZ(通称:ももクロ)の妹分・私立恵比寿中学(通称:エビ中)が出ていたことが大半の理由を占めていた。『ももいろ歌合戦』はももクロがトップを務めるスタプラのアイドルが数多く出演する。今回も私立恵比寿中学と超ときめき♡宣伝部がメインアクトとして参加し、オープニングアクトやアイドルソングメドレーにはTEAM SHACHIやukka、いぎなり東北産、AMEFURASSHIといったスタプラの面々が参加している。大晦日にエビ中やスタプラのアイドルが観れるだけで充分だと思って見始めた。

ただ今となっては、もしエビ中やスタプラのアイドルたちが参加しなくとも観るぐらいには大晦日の恒例行事となっている。

 

 

 

正直、大晦日の歌番組であれば『紅白歌合戦』の方がメンバーも豪華だし年末の風物詩としては圧倒的だ。ではなぜ、わざわざ『ももいろ歌合戦』を観るのか。理由はいたってシンプル。

いろんなアーティストが観れる

これに限るのだ。

『紅白歌合戦』はジャニーズや坂道、K-POPといったアイドルグループ、知名度抜群のシンガーソングライターに新進気鋭のロックバンド、根強い人気のある演歌歌手とその1年を通して活躍したアーティストが名を連ねる。しかし、『ももいろ歌合戦』ではその話題性に縛られない。

ばんばんざいやヘラヘラ三銃士のようなYouTuberから松崎しげる、五木ひろし、水前寺清子とベテラン大物アーティストまで幅広いジャンル・世代でタイムテーブルが構成されている。

普段から決まったアーティスト・ジャンルでしか音楽を聴かない自分にとって、未知との音楽の出会いの場になる『ももいろ歌合戦』はとてもありがたい。

それに加え、WacciやDa-iCEのように『紅白歌合戦』に出場していてもおかしくないような話題性のあるアーティストもいるのが凄いところ。

 

それゆえ、毎年『ももいろ歌合戦』をきっかけにアーティストにハマることがある。

一昨年(2021年)で言えばサイプレス上野とロベルト吉野『よっしゃっしゃっす〆』は、1年を通してサブスクでよく聴く曲になった。全く世代でもなければ、フォークソングも聴いたことが無いのにもかかわらず、泉谷しげる『春夏秋冬』も毎年聴いているうち、時々口ずさむ程度にまで浸透している。

「この曲を知っておいてよかった」「ここで聴けてよかった」と思う曲に毎年出会っている気がする。

往年の名曲から話題となった新曲まで網羅してくれるからこそ、出会うはずのなかった曲と出会うきっかけになるのだ。

 

それで言うと、2022年の最後に出会えてよかったのはTHE SUPER FRUITだった。

 

 

 


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ショート動画に自分はハマってしまうことが分かっているので、普段からTikTokはアンインストールしている。そんな時間泥棒であるTikTokをなるべく見ないようにしている自分ですら、この曲のイントロはかなり聴いた記憶がある。キャッチ―なイントロで、ダンスもTikTokを意識した可愛らしいかつ踊りやすい。記憶にはめちゃくちゃ残っていたが、なんとなくのイメージで「消費されるだけの曲かな」と思ってわざわざフルで聴くことはなかった。

 

ファンのみなさま、すいません

めちゃくちゃいい曲ですね

 

さっきも言ったように、SNSに照準を合わせたキャッチーな曲と振り付けはもちろんのこと、今回実際パフォーマンスを観ながら曲を聴いたことで、THE SUPER FRUITの持つ可愛らしさとの融和が素晴らしいことに気づけた。「歌割りに偏りがあるな」と思っていたが、マイクの数を見て納得。ボーカル担当とパフォーマンス担当を分けているのは賛否あるらしいが、自分的には初見でも担当が分かれていると見やすい・分かりやすいと思ったし、半分以上がダンスに特化する分、全体的なパフォーマンスレベルがグンと底上げされているように感じた。デビューして半年程度なのにめちゃくちゃ動きのキレがよかった。(個人的には白色のメンバーが目に留まった)

 

それに曲の歌詞も凄く好きだ。

サビのキャッチーな語感の良さに魅かれてしまいがちだが、Aメロの“大人じゃないからこその気付き”の歌詞が深く刺さる。

「周りに合わせる」

「誰かに揃えたがる」

社会に出て行くにつれて当たり前になってしまうことに、疑問を投げかける。ここ最近、初めて『星の王子さま』を読んだこともあってか、大人には見えなくなってしまった視点や真っ直ぐな投げかけにハッとさせられた。

僕ら全員天然記念物

なんて、すばらしいじゃん!

THE SUPER FRUIT『チグハグ』より引用

THE SUPER FRUITという個性が光ったグループにぴったりの楽曲だと思う。

チグハグ

チグハグ

  • TSUBASA RECORDS
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この曲をここまで気に入ったのは、初めて聴いたのがフル尺だったからだと自分自身は思っている。後に『CDTV ライブ!ライブ!年越しスペシャル!2022→2023』でショートverを披露していたのも見たが、何か物足りなさを感じた。先にフル尺で聴いていたからかもしれないが、直感的にそう思った。

『ももいろ歌合戦』はメドレープログラム以外、全てのアーティストはフル尺で曲を披露することができる。この点も他の音楽番組との差別化であり、音楽ライブとして開催している長所だ。午後17時から8時間の公演時間があるからこそできることなので、一概に全ての音楽番組に「全アーティスト、フル尺でやらせろ!」なんて無茶苦茶なデモ活動をするつもりはない。でも、やはり音楽は1曲が完成形だと思っているので、フル尺で聴いた方が好きかどうかを判断しやすいことはたしかだ。

 

『ももいろ歌合戦』でTHE SUPER FRUIT『チグハグ』を聴いて以降、サブスクを開いてはこの曲を流している。「SNSで話題」という触れ込みだったから、てっきり消費される曲かと思っていたが、全くそんなことなく耐久性のあるいい曲だ。

ちなみに他の曲も一通り聴いて、『馬鹿ばっか』もとても気になった。


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『チグハグ』とは違って黒のシックなイメージで、楽曲も可愛い路線に行きすぎず新たな一面を見せようと試みている。それに、楽曲によって軸となるボーカル2人+1人のかたちがとても面白いと思った。曲ごとに変化もつけれるし、楽曲が増えれば増えるほどいろんな魅力の形が現れる。

それに作詞作曲を見てなぜこの曲が気になったか納得した。作詞が児玉雨子、作曲がめんま。私立恵比寿中学『23回目のサマーナイト』と座組が一緒。


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数々のアイドルソングの作詞を手掛けてきた児玉雨子と作曲を務めためんまだから、一発で耳に残る。めんまで言うと、いぎなり東北産『re;star』もアップチューンで似た雰囲気がある。


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ももクロやエビ中好きが高じて見始めた『ももいろ歌合戦』をきっかけに、THE SUPER FRUITに出会うことが出来た。逆もまた然りだと思う。THE SUPER FRUITのファンの人も、『ももいろ歌合戦』をきっかけに新たな出会いに恵まれた人もいると思う。音楽との出会いはふとしたところに転がっている。

 

 

 

プロフィール

 

 

グループ名:THE SUPER FRUIT(ザ・スーパーフルーツ)

 

結成:2021年10月1日

 

メンバー

小田惟真(アップル)

田倉暉久(オレンジ)

星野晴海(レモン)

堀内結流(メロン)

松本勇輝(ピーチ)

鈴木志音(グレープ)

阿部 隼大(ココナッツ)