自分は長風呂が苦手である。
お風呂は結構好きな方だ。普段は信じられないほどの寝癖が付いてしまうので朝シャワーしかしないのだが、何か疲れた時は湯船にお湯を張って、身体の中をじわじわと溶かしている。自分の疲れを癒すとともに、「自分ってこんなに疲れてたんだ!」と毎回新鮮な驚きと共に確認する作業でもある。
ただ長風呂は苦手だ。ゆっくり浸かっていたいとは思うのだが、何もしていない時間がもったいない気がしてじっとしてられないし、何より身体が「もう無理―!」とロバート・山本博ナイズされた悲鳴を上げるので、比較的短めに済ませてしまう。
まずは身体を洗って入浴、5分ぐらいしたら一度上がって頭を洗う、そしてまた3分ほど入浴。
この無理なく行える手順が風呂に入るルーティンと化していた。
昨日、久しぶりにお風呂を入れた。連日寒波の影響で身体は芯まで冷え切っているのに、凍えながら朝シャワーをしているのは本当に意味が分からない。我慢しなけりゃいいのにと思っているが、実家暮らしで水道代も気になる今そう毎日お風呂は入れられない。1週間に1度のペースでやってきた結果、昨日がその日だったのだ。
約1年続けてきたバイトの最終出勤日を終え(この話はまた別の回で)ヘトヘトだった。職場の勤務内容と自分の性格が合わないまま1年ほど続けてしまっていたので、いろいろと相当負荷がかかっていたのだろう。気づいたら、バイト先の近くのお菓子屋さんで『ビッグカツ』を箱買いしてしまった。(結局1500円ぐらい使ってしまった)
帰ってすぐにでも入りたかったが、晩ご飯を食べ終わってからの方がそのままゆっくり眠れるだろうと思い、食後を選択。親は食前に入ってたので時間を気にすることなく入れることが確定した。
お風呂に入っている時間をどうしようか考える。好ましいのは音楽かラジオの音声コンテンツだ。水没や故障の可能性が高い風呂場で、あまりスマホを触らずに楽しめるものと言ったらそれぐらいしかない。短い時間しか入らない自分にとっては音楽が2曲、3曲聴くぐらいが丁度いいのだ。
しかし、昨日は少し事情が違った。今日までに見なければいけない番組があったのだ。
最近、オードリーの若林正恭という男に正直言って傾倒している。昔から若林さんがMCを務める番組はたくさん見ていたが、それは「若林正恭がMCだから観ていた」わけではなく、「面白そうな番組のMCがたまたま若林正恭だった」という感じだった。しかし、去年の夏頃から『日向坂で会いましょう』にハマったのをきっかけに高校時代に1度聴いて挫折した(JUNK派だったので)『オードリーのオールナイトニッポン』も再び聴き始めたり、リトルトゥースの後輩の家に泊まった時は著書の『ナナメの夕暮れ』を読んで「ダメダメ!影響受けすぎちゃう!」と途中で読むのを止めたりと触れる機会が多くなっていた。今では心構えができるので後輩の家で読んだ後、『ナナメの夕暮れ』を本屋で買った。
(↓ 買った時の話)
それと全く時を同じくして、全く同じ『日向坂で会いましょう』きっかけで若林正恭に傾倒したサークルの同期がいた。夏休み明け、後輩に「日向坂46の斎藤京子が出ている『キョコロヒー』が面白い」と話していたら、やたらとその同期が食いついてきた。無趣味のイメージがあったので意外だったが、よくよく聞けば夏頃に『日向坂で会いましょう』を見始めてから、日向坂46にもハマったし、それ以上にオードリーにハマったようだった。一緒すぎた。
そこから、その同期とはたまに会うやいなや「この前の『オードリーANN』でさ…」や「『日向坂で会いましょう』のあのシーンが…」などと、オードリー周りの会話しかしなくなった。
金曜日、大学の最後の授業日があったタイミングで部室に行くと、その同期が先に来ていた。他の後輩たちもいたのですぐにはしなかったが、これも若林さんの影響なのだが自分が最近自己分析をしているので、全員でカウンセリングをすることとなった。こたつを囲んで各々の体験から得た気づきを発表していく。「何かこんなシーン見たことあるな」と思ったら、アメリカとかの薬物中毒者がパイプ椅子を並べて円になり集団カウンセリングするあれと全く同じ構図だった。
その流れで同期が、「今週の『午前0時の森』観た?」と聞いてきた。「まだ、見てない」と返すと「あれはマジで観た方がいい。というか全員観た方がいい。お前らも絶対観ろよ」とただの宣伝からあっという間にパワハラ先輩になっていた。内容は知らなかったが、聞く分には水卜アナウンサーをカウンセリングする回だったらしい。今まさにピッタリだと思った。続けてその同期は「これも貸すわ」と言って、若林さんの最初の著書『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を貸してくれた。
月曜日に同期と会うのはおそらく最後となるので、結局自分は土日で『午前0時の森』を観て『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を読んで『オードリーのオールナイトニッポン』を聴いて、さらには『日向坂で会いましょう』も観なければいけない“若林正恭詰め”の週末を送らなければいけないことになったのだ。金土日の3連勤だったのに。
そのことを思い出して、どれを選ぶのか考えた。
『オードリーのオールナイトニッポン』はオープニングまで聴いたから明日の朝聴ける。
『日向坂で会いましょう』は深夜だから明日の朝。
『社会人大学人見知り学部 卒業見込』はバイト先で8割読んだので、残りは月曜の移動時間。
ということで、お風呂では『午前0時の森』を観ることにした。
浴室に以前買ったスマホ用の三脚とスマホを持ち込み、窓際のスペースにワンタッチで再生できるようにして置いておく。いつものように身体を洗って湯船へ。
「あ”””””””””””””””」
これぐらい濁点が付いていたに違いない。「あ」という音よりも濁点の方が勢力的には強かったと思う。仕事終わりのお風呂は格別だった。
窓際に置いていたスマホをお風呂のふたに置き、TVerで再生する。濡れた手のまま画面を触ったので水滴が付いたり少し曇ったりしたが、それはしょうがないと思った。
若林さんと水卜アナのオープニングトークはいつもより少し短めで、すぐに企画に入る。テレビでもよく見る名越先生をゲストに迎え、水卜アナの過去の映像や事前のヒアリングから性格を分析したり、解決策を導いていく。
これがとても面白かった。
抽象的なアドバイスではなくデータや経験から分析しているので的確だし、占いと同じく誰にでも当てはまるようなことを言っている時があると思ったが、それは誰にでも当てはまるわけではなく、自分が水卜アナや若林さんと性格や気質が少し似ているから当てはまると感じているだけで、そうではなかった。ドンピシャの言葉を言ってくれていたのだ。
先週のTAIGAさんのお悩み相談企画も面白かったが、全然次元が違った。ほとんど雨の中でツイストしてただけだったし。
気付けば、見終わるまでずっとお風呂に入っていた。途中しんどい時もあったが、胸から上を湯船から出せば意外と楽なことに今更気づいた。今まではお風呂の効能を全て受け入れてやると意気込んでいたので、終始首まで浸かっていた。これが体勢的にも呼吸的にもしんどかっただけなのだ。半身浴は長時間浸かっていても全くしんどくなかった。
湯船からあがり脱衣所に出る。いつもは結局ここで冷えてしまうのだが、その日は服を着るまで、というより服を着てからもずっとポカポカしていた。
「これが半身浴の力か!!」
それに全身が少しフワフワしていて、疲れが抜けていく感覚があった。この感覚は銭湯に行った時にだけ得られるものだと勝手に思い込んでいた。銭湯ではお金を払った分、元を取ろうとして無理して長く浸かるため、必然的に長風呂になっていた。銭湯がボスだと思っていたが、本当の黒幕は長風呂だったらしい。本当の安らぎは随分身近にいるものだ。
テレビで女性タレントが「美容・健康の秘訣は半身浴ですね」とか「お風呂に2時間ぐらい入っちゃいます」とか言ってるのを聞いて「嘘つけ!!」と思っていた。すいませんでした。訂正してお詫び申し上げます。
21時頃にお風呂に入り、長風呂してなんやかんやしていたら23時30分になっていた。お風呂あがりの浮遊感と共に睡魔がやってきて程なくKOされた。
今朝起きたのが6時だった。予定の出発時間は10時ぐらいだったのでもっと寝れたのだが、勝手に目が覚めてしまう。20代前半にして、ここのところずっと初老のモーニングを過ごしているのだ。ブライトンの三笘が決勝点をあげ、レアルソシエダの久保がレアルマドリード相手に堂々と渡り合っているニュースを見た後、『日向坂で会いましょう』を観た。まりもとは本当に面白い。こにしんは可愛い。
朝ごはんを食べながら途中まで聴いていた『オードリーのオールナイトニッポン』も聴く。『午前0時の森』観ていたので、「相変わらずTAIGAさんは何やってんだ!」と思ったし、春日さんのトークが長い理由が解明されていて面白かった。
今、出発まで少し時間があったのでブログを気軽な感じで書こうと思ったら、あっという間に3600字を超えていた。時間も少し遅れてしまう。同期に“若林正恭詰め”の土日を強いられた結果、カウンセリングと長風呂の素晴らしさに気づくことが出来た。この後、行きの電車の中で残っている『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を読み切る。そして、貸してくれたお礼に同じく敬愛する南海キャンディーズ・山里亮太の著書『天才はあきらめた』を貸してあげようと思う。山里さんは若林さんとは違った技で自分の首を絞め続けながら努力している。おそらく来週、再来週ぐらいに『午前0時の森』に予告乱入してくれるみたいなので楽しみだ。
とりあえず、今度森林浴に行ってみる。