書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~

"かくかくしかじか"と読みます。見たもの、聞いたもの、感じたことを書いてます。

ぎょうざの満洲で食べた"初めてのラーメン"

Twitterの検索ページを見ているとトレンドに『ぎょうざの満州』があがっていた。インタビュー記事に対して反響があったらしい。それを見て、自分が初めて外食でラーメンを食べたのが『ぎょうざの満州』だったことを思い出した。

 

 


たしか高校生の卒業式の少し後だったと思う。大学の試験期間も終わり、通っていた塾も辞めた自分はアルバイトを始めた。

イベント派遣のバイトで主に音楽系のライブの案内や設営、たまにスポーツ系のイベントがあるかないかみたいな内容だった。

週に一度、登録している会社から電話が来て、日程の調整を合わせる。3月から始めたので研修中だった自分は、なるべく多くバイトを入れようと思っていた。いくつか提案されたイベントの中で一際異彩を放っているイベントがあった。

 

 

それは平たく言えば、ある特定の料理を集めたフードイベントだった。

それまで音楽・スポーツしか行っていなかった自分からすればとても興味を引いた。大きな公園の一角で開催され、それの案内をする役割。「入ります」と言ってそのイベントに参加することになった。

 

 

 

そのイベントを決めた瞬間から、イベント終わりの事を考えていた。ご飯の事だ。

イベント派遣のバイト終わりは基本的に夜が遅くなるので、家に帰って食べることはなく、外で済ましていた。あまり普段から外食をするタイプではないので、イベント終わりの外食がかなり楽しみだったのだ。
それまでも終電で帰ることが多かったので、地元の駅の深夜まで空いている焼き鳥屋に行ったりして楽しんでいた。

会場近くの飲食店を探す。イベント終わりは終電よりもかなり早くに終わるので、余裕を持って食事を楽しめる。マップで探している中、ある飲食店に目が留まった。
それが『ぎょうざの満州』だったのだ。

 

 

その時はまだ「ぎょうざを食べよう」と思っていた。外で餃子を食べたこともなかったので、いい機会だと思っていた。ホームページを見るとアレルギー表が載っていた。食物アレルギーを持つ自分にとってアレルギー表はとてもありがたく、安心して外食することができる。確認していると餃子の欄より、下にあったラーメンの欄に目が行った。

「食べられるラーメンがある!」

目から鱗だった。これまでインスタントであれば食べられるものがあったのだが、飲食店で食べられるなんて夢にも思わなかった。そのバイトを決めた時と同じぐらい即決で『ぎょうざの満州』にいくことに決めた。

 

 

イベントはとても楽でしんどかった。屋根のない公園でただひたすら案内をするのだが、基本的には公園が端から端まで見渡せるので何か聞かれることもなく、ゴミ拾いが中心だった。
朝から晩まで働き、いよいよ待ちに待ったラーメンを食べに行く。

会場から歩いて少しのところに『ぎょうざの満州』はあった。1人で入店し、席に着く。緊張していた。初めて食べる外食のラーメン、相当ハードルは高かったし、何より外でラーメンを頼む経験なんてなかったからだ。

「すいません、チャーシューメン一つ」

通常のラーメンには煮卵が入っていて食べられなかったので、チャーシューメンを選択した。

「お待たせしました、チャーシューメンです」

 

 

届いた丼には綺麗なスープと5枚ほどのチャーシュー。
「いただきます」
まずスープを飲む
「美味しい〜」
まだまだ寒い時期だったので、暖かいスープが身体に沁みる。
続いて麺をすする。もう正直味は覚えていない。
美味しかったという記憶しかないが、それ以上に「外でラーメンを食べれる体験」を出来たことが自分にとって新鮮で重要な出来事だった。
「ごちそうさまでした」
気づけばあっという間にチャーシューメンを食べ終わっていた。

 

 

あれ以来、外食でラーメンを食べることは増えた(アレルギー表を出してくれる店が見つかったので)が、『ぎょうざの満洲』には久しく行けていない。
記事にはお店の経営や味や産地のこだわりが書かれていた。近所にはないのでなかなか行く機会がなかったが、また近々行こうと思う。

老舗餃子チェーン「ぎょうざの満洲」代表が明かす「3割うまい!!」に込めた信念 | bizSPA!フレッシュ