書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~

"かくかくしかじか"と読みます。見たもの、聞いたもの、感じたことを書いてます。

食物アレルギーと修学旅行in鹿児島

自分は生まれつき食物アレルギーを持っている。昔は小麦・卵・乳成分がアウトだったが今では小麦は特に問題なくなったので、卵・乳成分に気をつけながら生活している。何か食品を買う時は必ず原材料をチェックする癖がついているし、飲食店でもアレルギー表があればチェックしたり、なければ店員に聞いたりと手間が多い。

ただ、小さいころからしてきたルーティンなのでめんどくさいが別に煩わしいとは思っていない。それが当たり前だからだ。

しかし、自分はよくても周りの人はなかなかそうはいかないらしい。

 

 

 

食物アレルギーを持っていると周りからとても気を遣われる。自分としては「全然そこまでしてくれなくてもいいのに」と気を遣うが、気を遣わないと相手が悪者になってしまう可能性があるのでとても感謝しながら気を遣ってもらっている。

昨日書いた記事で、アレルギーに気を遣ってくれた結果変なプレゼントを渡された記事を書いた。それを書いた時に昔のことを思い出した。

kakusika.com

 

 

 

中学時代、修学旅行で鹿児島県に行ったことがある。最終日はお昼ごろから夕方まで鹿児島市内の繁華街で自由行動となっていた。クラスの仲のいいグループで固まりお昼ご飯を食べたり、お土産を買ったりするのだが、アレルギーというのが邪魔になってくる。鹿児島といえば鹿児島ラーメンが有名だ。九州地方ならではの豚骨ベースのスープに甘みの強い醤油を使ったタレ。関西に住んでいて、中学生の我々からすればこの機会でなければ本場の鹿児島ラーメンは食べられない。グループの他のメンバーは自分のことをとても気を遣ってくれたが、最終的にこっちも気を遣って「食べてきていいよ」と言った。他のメンバーはラーメンを食べに行き、自分はというとその間どこにでもあるCDショップで時間を潰していた。修学旅行としてはあるまじき時間である。

 

30分ほどしたら他のメンバーが出てきたので、「お土産でも買いに行く?」と聞いたら「俺らだけ申し訳ないよ」と言って、焼き肉屋に連れて行ってくれた。お店としては迷惑だっただろうが、7人程度で押しかけて、1人だけがランチを食べているというこれまた修学旅行にあるまじき時間が生まれたのだ。それもそうだ、さっきラーメンを食べたのだから食べれるわけがない。大事な鹿児島での自由時間のうちの40分を「1人が焼き肉を食べるのを見る時間」にさせてしまった。CDショップに行ってる間にご飯食べれたのに。お互い申し訳ない気持ちになっていたに違いない。

 

 

 

ようやく焼き肉ウォッチングタイムが終了し、散策を始める。と言っても、お昼ご飯代とお土産代程度しか持たされていない中学生では散策できる範囲も限られてしまう。グループで話し合った結果「せっかく鹿児島に来たのだから」ということで天文館むじゃきの白熊を食べに行くこととなった。

めちゃくちゃ練乳だ。

さっきまでの気遣いはどこに行ったんだよ。各々白熊を頼む中、どれも食べれない自分は黙ってみんなが白熊を食べている様子を眺めていた。さっきとは立場が逆である。しかも、白熊は冷たいうえに量が多いので食べるのにかなり時間がかかっていた。

長時間、白熊を観察していた。

この文面だけ読んだら、極寒の北海道のイメージが湧くかもしれないが、灼熱の鹿児島の話である。正反対にも程がある。

 

 

 

白熊を食べ終わる頃には集合時間の15分前とかになっていた。まだお土産を1つも買っていなかった我々は急いで白熊をかきこみ、ダッシュでお土産屋に向かい有名どころのお土産を買って帰った。ただ、自分は白熊を一口も食べていないのにもかかわらずタイムリミットに迫られていただけ。まだ1曲も歌っていないのに部屋に電話がかかってきたみたいな「何しに来たんだ?」感を1人味わっていた。ダッシュでお土産屋に向かってお土産を買おうとするが、ここにきてもやはりアレルギーが邪魔をする。自分が食べれるかどうかをいちいち確認しなければならないのだ。修学旅行の前から、お土産にはたまに親が出張で鹿児島に行った時に買って帰ってきてくれた“かるかん”を買おうと思っていた。しかし、お土産屋の“かるかん”の原材料を見ると意外にも卵が使われているものが多かった。何とかして食べれるかるかんを見つけた頃にはもうタイムリミット間近。家族や塾へのお土産を買っていないことに焦った自分は、最終的に『ブタのイラストがプリントされたクッキー』を購入した。

よくお土産屋で見かける「土地の物がプリントされているだけで、味や種類に関してはどこでも買えるやつ」を買ってしまったのだ。

家に帰ってお土産を渡した時の声は出ていなかったが顔のパーツの全てが「え?」になっていた顔は忘れられない。ちなみに小学生のころの修学旅行のお土産も土地勘が関係のないお土産を買ってしまっていたので(前科的な意味で)バツ2になってしまった。

 

 

 

別にこの時のメンバーに「俺のことを考えずに行動しやがって」みたいな文句を言いたいわけではないし、修学旅行は全体的に楽しかった思い出があるので腹がたったとかでもない。これも昔からのルーティンである。

アレルギーに対して周りが気を遣ったり、自分が気を遣ったり、逆に全く気を遣われなかったり。集団行動をするにはあまりにも食物アレルギーは邪魔すぎる。

今度鹿児島に行く機会があれば、もっと地の物を食べたい。

兵六餅大好き!!