書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~

"かくかくしかじか"と読みます。見たもの、聞いたもの、感じたことを書いてます。

『食』で人生の腹を満たす


最近、自分の中の優先順位に大きな変動があった。

『食』

これが箱根駅伝の留学生の如くごぼう抜きをしたのだ。

 

 

 

大学を卒業し、フリーターとして生活を送る中で一番感じたのは「楽しくない」である。大学時代が楽しかった分、分かりやすく「楽しくない」の落差を感じている。人との関わりがほとんどなくなり、行動範囲も職場と家の往復のみ。今までは自然発生的に起きていたイベントも、自らアクションを起こさない限り生まれないことを知った。〇B(バイトの意味)だけが並んだカレンダーを見る度、「このまま」という恐怖の4文字に支配されてしまう。

 

「何かしらアクションを起こさねば」

かと言って、どこかへ出かけるにしても行きたい場所も無ければお金も余裕がない。人と会うにも周りはみな忙しい。一人でも楽しめる娯楽を開拓しなければいけない。

そこで行きついた答えが「食を充実させる」だったのだ。

 

日々の生活に密接に関わっている娯楽『食』を充実させれば人生は豊かになる

 

逆も然り

 

日々の生活に密接に関わっている娯楽『食』を充実させなければ人生はどうにもならない

そう思うのだ。

 

 

 

まず始めたのは“食の開拓”である。

このブログを始めてからこれまでも、いくつか食べ物に関する記事を書いてきたが、そのほとんどは開拓に関するテーマだった。

食 カテゴリーの記事一覧 - 書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~ (kakusika.com)

自分は生まれつき食物アレルギー(軽度:小麦・重度:卵、乳成分)を持っているため、なかなか食では苦労させられてきた人生である。親にはアレルゲンを排除した料理を作ってもらっていたし(特大感謝)、給食も一人だけお弁当、外食に行けば気を遣われるし、お土産やお裾分けといった人の善意を断ることも多々ある。だからこそ、これまで『食』の優先順位が上がらなかったのだ。

 

しかし、4年生に進級した昨年あたりからバイトを始め(遅すぎる)、少し自由にできるお金が出来たので、友人や後輩とご飯に行く回数が増えた。そうすると、今までは「食べられない」と思っていたものが、調べると意外に「食べられる」ものだったりしたことに気が付いたのだ。

最初から諦めていたから見えなかっただけで、調べてみると意外と食べれるものも多いんだと気づかされた。

一番驚いたのが「オレオ」

牛乳につけて食べるあたりから完全に「敵」だと思っていたが、実は乳製品ではなかったのだ。(実際は乳製品ではなくなったみたい)

成分表を掲載しているチェーン店はもちろん、ヴィーガンレストランに行ったりアレルゲン不使用のカフェに行ったり、ちょっと背伸びと我慢をして天ぷらやトンカツを食べたり。

思考と味覚がはっきりとした成人になってから初めて食べるものばかりで、開拓するたびに感動している。あえて小さい時に食べてこなかったのがよかったとも思えるのだ。

 

 

 

そして、今実践しているのが自炊。

自分の家庭では朝昼は各々が何とかし、晩ご飯だけは母親が作ってくれるシステムなので、これまでも自分で料理を作る行為は何度もしている。しかし、昼ごはんに作る料理なんてものは“THE男料理”の数々で、ただただ腹を満たすためだけの炭水化物頼りメニューばかりだった。

焼きめし、ラーメン、ビーフン、ささみやむね肉を焼いただけ...

 

しかし、優先順位が上がってからは手の込んだ料理にも果敢に挑戦している。

先日は初めてなめろうを作ったし、ここ最近作った砂肝のトマト煮込みは1度目は味付けを忘れて失敗したが、2度目はコンソメをぶち込んで大成功。茶色じゃない料理を見たのも久しぶりだったし、見た目も味も人に披露できるレベルだと思った。

これも食の開拓に近い。

外食での開拓も楽しいが、手軽に出来る開拓も自身の成長や経験にも繋がって楽しい。

 

 

 

『食』に纏わるエッセイや番組も積極的に摂取している。

昔も今もハードなお笑い番組が好きだが、少し変わったのは「北海道グルメ特集」や「地元の人が知っている美味しいお店」みたいなライトな層に向けたグルメ番組も好んでみるようになった。

「こういうのでいいんだよ」

美味しいものを映像や活字で見るだけで想像力が膨らみ、脳が多幸感で満腹になっていく。

 

 

 

ここまで改めて書いてみて自分の思考を整理してみると、やはり『食』の優先順位を上げたことで人生が豊かになっている気がする。

インスタントでこなす日々よりも、手作りで乗り越える日々の方が記憶にも残りやすい。

『食』

今度、後輩からもらった図書カードで土井善晴先生の「一汁一菜でよいという提案」を買ってみる。