書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~

"かくかくしかじか"と読みます。見たもの、聞いたもの、感じたことを書いてます。

飯島奈美に影響を受けて梅酢をとりあえず買ってみた

いつもよりも忙しかったバイトを終え、ヘトヘトになりながら家に帰る途中、どうしても何かお金が使いたくなった。自分は自分を孫のように甘やかしまくるので、頑張った時やしんどい時は何かお金を使って疲労を誤魔化している。かと言って、「浪費」というわけでもない。基本的には食か服、それもべらぼうに安いものに限る。低価格で元気を生み出せるコスパのいい生き方でよかったと時々思う。疲れている時に限ってチャレンジングな食材を買うことが多い。この前は4連勤の帰りにツバスを買い、家に帰ってから慣れない手つきで三枚おろしにした。より疲れは溜まるのだが、行動に移したことの達成感で疲労で満ち満ちた身体に隙間を作る。

 

 

 

今日も今日とてお金を使おうとしたのだが、帰り道にあるいつも通っている数少ない「財布の紐緩めポイント」にときめかなかった。マクドナルドで期間限定発売されているスパイシーチキンマックナゲットがアレルギーでも食べれたので、食べようかと思ったのだが、他の商品も買うとなると意外に値段が跳ね上がってしまうので躊躇してしまった。物価高め。

よく行くスーパーは水曜日に行くルーティンにしているので崩したくなかったし、牛丼屋はちょうど先週大学の後輩たちと行ったのでインターバル期間中。

少し遠出をすることも考えたりしたが、最終的に普段はあまり行かないホームセンターに行くことにした。

農業用の資材が欲しい時や、バイト先で必要なものを買いそろえるためにしか基本的には行かないのだが、たまに行くとフラッと立ち寄ってしまうのが店内の一角に構えている産直市だ。

地元の野菜を中心に新鮮な魚やお肉、手作りのこんにゃくやお味噌と幅広く取り扱っているコーナーで、何か出会いを求める時はそこへ行く。前、ブログにも書いた奈良の新名物『らほつ饅頭』やこんにゃく粉を混ぜ込んだ『こんにゃくベーグル』とは、ここではじめましてをしたのだ。

今日も掘り出し物を探そうと店内に入った瞬間、目が合うべくして合った(もはやこちらから合わせに行った)商品があった。

『梅酢』である。

 

 

『梅酢』は梅干しを作る過程でできる液体のことで、梅を塩漬けした時に出てくるのでしょっぱいらしい。『梅酢』の存在を知ったのはほんの最近で、たまたま図書館で借りた飯島奈美著『ご飯の島の美味しい話』に出てきたのだ。

 

本の中でさまざまな料理や食材が紹介されていたが、一番気になったのは「梅酢」。

 

目次で言えば「和歌山の駅弁と宿ご飯」「梅酢」の2回登場しており、飯島さんは好きすぎるがあまり商品開発までたどり着いてしまっている。(「紀州の、うめ酢」)解毒作用、疲労回復、食欲増進などさまざまな効果がある梅酢の使い方を広めるレシピ「難逃れレシピ」も考案。

 

文中で紹介されている、「梅酢のから揚げ」が特に想像を掻き立てた。酸味があるのか、さっぱりしているのか、肉の柔らかさはどうなるのか。

 

1つの調味料から話を広げれるのは知見の広いフードスタイリストのなせる業だろう。「梅酢」をどこかで見かけたら真っ先に買おうと思った。

飯島奈美『ご飯の島の美味しい話』に”食”の持つ力を見る【読書感想文】 - 書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~ (kakusika.com)より引用

 

 

ブログの読書感想文でも書いているように、使い方次第でどんな食材も美味しくしてしまいそうだった『梅酢』に心を魅かれ、買おうと決心していたのだった。しかし、あくまで梅干しを作る過程で出てくるものなので、いくつかスーパーを回ってみたがネット注文以外ではなかなか流通していなかった。

それがまさかのホームセンターで。産直市ならではの奇跡だろう。

「おばあちゃんの梅酢」

どうしてこういった渋い商品にくっついて登場する「おばあちゃん」には美味しさを保証してくれるような安心感があるのだろうか?

さっそく1瓶(1.5Lほど)を購入した。

 

 

この流れで行けば「家に帰ってから梅酢を使った料理をした」と続いていくのだろうが、残念ながらそうではない。昼は同じく産直市に売っていた奈良県のソウルフード『天理スタミナラーメン』のインスタントを食べた。だって疲れていたから。(もちろん美味しかった)

家に帰って母親に『梅酢』を見せたがポカンとされた。

「それどう使うの?」

自分も分からない。

だけど、この『梅酢』に対する期待値はものすごく高いままだ。飯島奈美さんが紹介していた『梅酢のから揚げ』に心躍らせたように、例えば野菜炒めの味付けに使えば普段と違ったさっぱりした味になるだろうし、お肉を漬け込めば柔らかくなってうまみが増すかもしれない。

「分からない」が自分の想像をポジティブに働かせている。

それだけで買った意味があるというものだ。

もちろん近々、『梅酢』を使って何か料理を作る予定だ。

今を満たすのではなく、いつかの満たしに先行投資。