書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~

"かくかくしかじか"と読みます。見たもの、聞いたもの、感じたことを書いてます。

6月20日の日記(名古屋RTA)

高速バスで名古屋へと向かう。今まで何度も高速バスを利用したが、東京~大阪間の区間しか利用したことが無かったため、5時間という中途半端な時間のバス移動を経験したことが無かった(東京~大阪間は約10時間)。しかも昼行バスということもあって、外は明るい真昼間。過ごし方をどうしようかと出発前は考えていたが、出発してからは朝の肉体労働の疲労のおかげですぐに眠りにつくことが出来た。よくよく考えたら、いつもこの時間は昼寝をしてるではないか。要らぬ心配であった。

サービスエリアでの休憩時間も夜行バスであればただのトイレ休憩になってしまうが、昼行バスだとお店も起きているためお土産屋さんやフードコートを楽しむことが出来る。ただ休憩時間は15分で行きで荷物を増やしたくないのでそこまで楽しめるわけではない。ラインナップを見て、徐々に東に進んでいる実感を掴む。

乗車中は寝たり起きたりを繰り返しながら時間が過ぎるのを待つ。ふと窓の外を見てみると、自然の中に敷かれた道に人工物が群れを成して走っている状況に不思議な感覚になる。

 

 

18時すぎ、バス内に「到着まで10分」のアナウンスが鳴り、それまで寝ていた人たちも各々降車の準備を始める。名古屋での予定を立てようとスマホを開き、SNSやホームページをチェックしようとするがなかなか繋がらない。調べたらスマホのデータ通信が低速になっていたのだ。寝ぼけていたこともあって5分ぐらい「名古屋は文明が遅れているのか?」と真剣に悩んでしまった。データを買い足して事なきを得る。

今回の名古屋観光は18時過ぎから22時過ぎまでの約4時間。どれだけ短い時間で名古屋を満喫できるかという『名古屋RTA』である。

事前に中部地方出身の友人に聞いたおすすめスポットやこれまでのエンタメから仕入れた名古屋情報で、回りたい場所や食べたいものに目星をつけていた。「これまで仕入れた」と言っても仕入れ先はチームしゃちほこ(TEAM SHACHI)のみなのでだいぶ情報に偏りがある。

バスが停車場に着き、次々に乗客が降りていく。窓際の席でスタートダッシュが遅れたものの、友達がいなかった高校時代の帰宅部の実力を発揮し早歩きで『名古屋RTA』がスタートした。

 

 

18時45分 人生初天むす

開幕して即向かったのは近鉄パッセ。ここでのお目当ては天むすである。名古屋飯の一つである天むすを食べようと前々から計画していたのだが、飲食店に入って食べる以外での天むすは基本的にお弁当として販売されることが多く、インターネットで調べる限り天むすの有名なお店はどれも5個入りからが基本だった。天むすはあくまでもメインではなく、経験として食べてみたかったので諦めようとしていたところ、バスで到着する少し前に3個入りと比較的少量かつリーズナブルに天むすを食べれるお店を見つけた。それが近鉄パッセ内にあるおむすび専門店の「にぎりたて」であった。

早速、3個入り350円の天むすを持ちお会計を済ませる。ありがたいことに、お店の一辺が4席の小さなイートインスペースになっており、すぐに食べることが出来た。

 

一口でいくか分けて食べるかのちょうど間くらいのサイズ感に悩みながら、記念すべき1個目は丸ごと食べることにした。

文字通り口いっぱいに天むすが広がる。

天ぷらのサクサクとした食感を想像していたが、どうも天むすのえび天はフリッターが使用されておりフワフワの食感だった。フワフワの中から出てくるプリプリとしたエビの食感もまた美味しく、味付けも米にピッタリの塩気の効いた味で名古屋フードの一端に触れた気がした。

おむすび専門店ということでシンプルに甘みのある空気の含んだふっくらとしたお米としっとりとした海苔のクオリティが高く、正直エビ天よりもそっちに満足してしまった。

2個続けて食べたところでアレルギー反応が少し出る。フリッターを後々調べたところ、ふんわり食感を出すために衣に卵をしっかり混ぜ込むのが一般的らしく、食物アレルギー持ちにはなかなかヘビーブロウだった。(もちろん承知の上での飲食なのでお店側に責任は一つもありません)

1つは残して食事を済ませ、次の目的地へと向かう。

天むす、あっぱれ。

 

 

19時 ナナちゃん人形

完全にチームしゃちほこきっかけで知った名鉄百貨店のランドマーク。チームしゃちほこ時代の曲としては1、2を争うほど好きな「ノッてけめんそーれ」の歌詞内に出てきたり、度々コラボしていたりで自然と“名古屋=ナナちゃん人形”の等式が完成していた。名古屋によく遊びに行っていた友人にナナちゃん人形に行くことを伝えたら「なんで?」と言われた。身近な人からすればそんな感じのものらしい。

いや、意外と顔怖いんかい。

『ひとやすみナナちゃん』

 

19時30分 大須商店街

愛知について知識はほとんどなかったが、なぜか名前だけは聞いていた大須商店街。百貨店や商業施設よりも土地の雰囲気を感じられそうだったので行ってみることに。到着してみるとビックリ。店閉まりすぎ。火曜日を定休日しているところもいくつかあったが、平日の19時でこれほど閉まってるのか。名古屋っぽさは感じられなかったが、商店街の名古屋グランパス押しと他国籍のお店の多さは面白かったので満足。ここに来れば世界各国の料理を作れそうな雰囲気で、観光じゃなければいろんな食材店を回ってみたかった。

 

19時40分 矢場とん

*ここだけで2000字くらいいっちゃったので別の記事で。

kakusika.com

 

 

 

21時20分 名古屋城

大須商店街から徒歩移動で名古屋城へ向かう。チンピラの歩き方LV.1みたいなやつの後ろについていきながら、名古屋の街を歩いていく。気温20℃前後の風を感じながら歩く夜にノスタルジックな気持ちになる。

2、30分歩いてようやく名古屋城に着く。もちろん城内は閉まっているのは分かっていたが、思っていた以上に城までが遠い。大阪城はいつでも近くで見れて、濠の周りで花見をやっている人も見かけたこともあるが、名古屋城は城の周りが木々に囲まれていて、おそらく日中でないと近くで見ることは難しい。

城の敷地の周りをぐるぐる回ってみたが、一番近くてこれ。

名城公園に行けば比較的近くで見れたらしいが、時間の都合でタイムアップ。

名古屋駅に向かう途中の商店街に置かれていた鯱でひとまずよしとすることにした。

 

22時30分 名古屋駅

夜行バスに乗るために、名古屋駅に帰還。朝のバイトも合わせてこの日の総歩数が3万歩を超えていて、さすがの膝も「勘弁してくれ」と懇願していた。「うるせぇ!もうちょっと付き合え!」と突き放し、名古屋駅の中にある売店へ向かい友人に勧められたえびせんべい「ゆかり」を兄用と実家用の2袋購入。

 

 

ここで名古屋RTAフィニッシュ!!

当初の予定時間であった4時間の間に出来得る限りの名古屋を詰め込み、見事に完走を果たしたのだ。

昔、小さいころに連れて行ってもらったポケパーク、並びにモリコロパークで開催された私立恵比寿中学のイベント『ファミえん』以来3回目の愛知県だったが、初めての観光にしては上出来だったのではないだろうか。

夜行バスに乗り込むと、隣の座席が空きになっていて広々使えた。

膝の痛みと全身の疲労に不安を感じながら、次の日のメインイベントであるシベリア少女鉄道の観劇に向けて爆睡するのであった。