書書鹿鹿 ~かくかくしかじか~

"かくかくしかじか"と読みます。見たもの、聞いたもの、感じたことを書いてます。

自分を知りたくて/『食物アレルギーのすべてがわかる本』海老澤 元宏

自分を知ること。

意外と難しいと最近感じる。そもそも最近になるまで「自分を知ろう」なんて考えたことも無かったし、というか知らないように避けてきた面が大きい。

自分のことなんて知らない方が幸せとまでは言わないが、そこそこ生きやすい。

自分を形作るもの・形作ってきたもの大半に食物アレルギーがある。

生まれつき小麦・卵・乳成分を封じられて約20年生きてきたので、それが当たり前になっていたし今更知る必要もないと思っていた。知ったからと言って治るわけでもないだろうし、そもそも完治はしないものだし。それでも知ろうと思ったのは、自分の大半を形成するものの解像度を高めて今後の生活に活かそうと思ったからである。

 

 

食物アレルギーのすべてがわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)

海老澤 元宏著『食物アレルギーのすべてがわかる本』はその名の通り食物アレルギーについての情報が分かりやすく載っている本だ。詳しい情報よりも全貌を知りたかったので、図書館で何冊かあるアレルギー関連の本の中から名前だけで選んだ。

昔から人に説明するときは「○○が食べられなくて」で済んでいたので、なぜ食べられないかについてはあまり気にしていなかった。この本を読んで「なぜアレルギー反応が出るのか」や「アレルギーの種類」について書かれていて知りたい情報が知れた。

読んでいく中で一つ気になったのは大半が子ども向けに書かれていることであった。思い返してみると図書館でアレルギーの本を見ているとほとんどが子ども向け(アレルギーを持つ子の親向け)に書かれていたのだ。

食物アレルギーは意外と子どものうちに治るものらしい。しかも、自分の持つ小麦・卵・乳成分は特に治る確率が高いんだとか。たしかに小学生の時同じく卵アレルギーだった友人も自然と食べれるようになっていたし、大人になってから身の回りで自分と同程度のアレルギー症状を持つ人には出会ったことが無い。20年以上食物アレルギーを持っていて初めて知った情報だった。

 

 

知的好奇心があったから自分を知れたのか

自分を知ろうと思ったから知見が広がったのか

順序はどうであれ、この本を読んだことで知識も増えたし、自分のことにも詳しくなれて一石二鳥だった。

相変わらず読書はすぐ飽きるし、専門書なんて余程のことが無い限り読むことはないが、今回ばかりは読んでよかったと思う。